Japanese
English
原著
中国地方におけるスポロトリコーシス—自験例5例を含む
SPOROTRICHOSIS IN CHUGOKU DISTRICT OF JAPAN
渡辺 進
1
Susumu WATANABE
1
1倉敷中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kurashiki Central Hospital
pp.313-322
発行日 1973年4月1日
Published Date 1973/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201131
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中国地方で発生したと思われるスポロトリコーシスの報告例は昭和47年10月現在,自験例の5例を含めて36例である.すなわち患者の住所よりみると岡山県19例,広島県12例,山口県3例,鳥取県1例,島根県1例で男子13例,女子23例である.発生年度は昭和44年が9例で最も多く昭和43年以降に24例が発生している.病型は皮膚リンパ管型25例,限局性皮膚型11例でこれら以外の病型はみられていない.発病年齢は60歳以上が15例で最も多く,ついで50〜59歳7例,0〜9歳6例となつていて,高齢者と幼児に多い.0歳では6例のうち4例が顔に生じた限局性皮膚型であつた.発病季節は1月に最も多く6〜9例,ついで10月,11月が各5例となつているが7月3例,8月2例と夏にも発生例がみられた.治療法はヨードカリ内服がほとんどであるが,その他にヨード剤注射(局所注射も含む),グリセオフルビン内服,ヨード剤塗布,局所温熱療法,外科的切除等が行なわれている.自験例の3例は外科的切除とヨード剤内服,ヨード剤局所注射の併用で良好な結果を得た.
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