Japanese
English
原著
汎発性黒子症候群(Lentiginosis Profusa Syndrome)の1例
A CASE OF LENTIGINOSIS PROFUSA SYNDROME
高屋 通子
1
Michiko KOYA
1
1都立府中病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo Metropolitan Fuchu Hospital
pp.139-148
発行日 1973年2月1日
Published Date 1973/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201105
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
汎発性黒子症候群は遺伝性疾患の1つで,レックリング・ハウゼン病Turner症候群と発生起源を同じくする母斑症の1つと考えられる.本症は全身に汎発する黒子,眼,心臓,性器の異常,難聴,精神神経系の障害,低身長,骨格の奇形などを伴う1症候群である.
これまで本邦においては精薄を合併した1例および知能発育不良,身体発育遅延,眼瞼下垂,神経性難聴と心電図の異常を伴つた1例を除くと,黒子の報告のみにとどまる.
ここに報告する24歳,女子の症例は,本症の多くの症状を呈し,さらに新たに後頭部の骨欠損像,弱視,潜伏眼振,爪の萎縮,趾間の過伸展と蹼がみとめられた.本症候群について文献的老察を行なうとともに,黒子および黒子とともに最も頻度がたかく出現する心の異常所見の発生機序について若干検討を加えた.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.