Japanese
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連載 元気な皮膚科医であるために・5
生まれたときに黒子がないのは何故か
今山 修平
1
1九州大学医学部皮膚科教室
pp.963
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901021
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- Abstract 文献概要
照らされた物体が特定の波長を反射すると,その波長の色に見えます.赤のスペクトルを強く反射する酸化ヘモグロビンのせいで血液は鮮かな紅です.逆にすべてが吸収されれば,(反射されて)眼に届く光の成分がありませんから「暗く」または「黒く」見えます.私たちの体を包む皮膚(表皮)にはメラニンがありますが,この色素は地上に届く太陽光を幅広く吸収する「黒い」色素です.言い換えれば,光を幅広く吸収できるからこそ,たぶん人は,体内へ光を侵入させないためのバリアーとしてメラニン色素を採用したのでしょう.とすると地上環境が今と違っていた時代には,メラニン以外の色素を用いていた(例えば青や赤や緑の)動物または人の祖先がいたかもしれません.しかしそのような動物は現代まで生き残れなかったでしょう.
大地が形成され,永遠に続くかと思われるほど降り続く雨と嵐の時期が終焉し,雲が晴れて大地に光が降り注ぐとともに,メラニン以外の色素を採用していた動物は地上では生存できなくなったでしょう.あるいは全く逆に,(どちらかというとあまり冴えない色の)メラニンを採用していた動物だけが地上に出て繁殖できたのかもしれません.届く光が全く異なる海の中で,魚たちが思い思いに自由な色合いで泳いでいることは,その有力な証拠であるような気がしますが,これくらいの話は既に誰かが記載しているところでしょう.
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