整形外科を育てた人達 第58回
Ernest Amory Codman(1869-1940)
天児 民和
1
1九州大学
pp.276-279
発行日 1988年3月25日
Published Date 1988/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907797
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戦後,肩関節の特殊性が解明されると共に肩関節障害の研究の重要性が認められて来たが,そのため肩関節研究会も活発な活動を開始している.この肩関節の研究者の先達となったのがErnest Amory Codmanである.1934年に名著「The Shoulder」を出版した.この著書は肩関節の複雑な解剖学的構造とその機能について詳しく記述すると共に,起り易い病変について述べている.更に驚くべきことは序文が40頁にも達していることである.普通,序文は1-2頁の著書が多いがCodmanは型破りの序文を書いている.この序文の中に何故に自分は肩関節の研究に重点を置いたか,その経過を書いているので自叙伝とも言うことができる.更に治療成績の判定には短期間の観察では不充分で遠隔成績の重要性を説き,これを一般に認めてもらうために大変な努力をしている.この序文によりCodmanが臨床医学者として卓越した識見を有していたことを知ることができる.彼の伝記は彼と親しかったAnthony F. DePalmaが書いているが,この伝記とCodmanの「The Shoulder」の序文を参考にしてErnest Amory Codmanについて書くことにしたい.
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