〈原著論文抄録〉
Epidermolysis Bullosa Hereditaria Letalis(Herlitz)—症例報告,他
熊谷 武夫
1
,
長井 忠
1
,
石崎 宏
1
,
小西 喜朗
1
,
江上 三義
1
,
荒井 邦夫
1
,
佐藤 保
2
,
毎田 武夫
2
,
岩口 力男
2
1金沢大学医学部皮膚科教室
2金沢大学医学部小児科教室
pp.1107
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200734
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Epidermolysis bullosa hereditaria letalis(Herlitz)の症状を持つて生まれた2例を記述した。これら2例にほぼ同様の看護と治療を加えたところ,1例は4歳6カ月まで生存したが,他は生後6カ月で死亡した。水疱部における基底膜の所在については,比較的長期生存例ではそれが光顕的には主として表皮側に,電顕的には表皮側にのみみられたが,6カ月で死亡した例ではそれが光顕的に真皮側にのみ認められた。以上から比較的長期生存例をEpidermolysis bullosa hereditariadystrophica et polydysplastica,6カ月で死亡した例をEpidermolysisbullosa hereditaria letalisと最終的に診断した。なおE.letalisの既報告例および金沢大学皮膚科において観察された他の9例についても,水疱部における基底膜の所在を改めて検索し,その成績を述べた。さらに本症における水疱形成部位,予後などについて若干の文献的考察を加えた。
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