Japanese
English
綜説
血管炎の臨床と病理組織
CLINICOPATHOLOGICAL STUDY OF THE CUTANEOUS VASCULITIS
西山 茂夫
1
Shigeo NISHIYAMA
1
1東京大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.118,121-133
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200613
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.血管炎とは
一般に炎症の場は毛細血管ないし細小血管を中心とする結合織であるが,特に血管壁の結合織を反応の場とする炎症,換言すれば血管壁を1次的におかすような炎症を血管炎と呼ぶ。従つて血管炎は,大動脈より皮膚の細小血管まで,あらゆる大きさの血管におこり得るが,毛細血管炎(Capillaritis)という概念は正しくない。
毛細血管の変化がきわだつて眼につく場合は,たとえば強い線維素性炎症(壊疽性丘疹状結核疹),出血性炎症(Angiodermatitis),または変性性変化(慢性放射線皮膚炎),種々の沈着症などがある。これらの場合は,毛細血管の炎症すなわち毛細管炎ではなくて,炎症に関与している毛細血管の"変化"と呼んだ方がよい。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.