Japanese
English
原著
Lichen Purpuricus—病理組織学的検討
Lichen Purpuricus: A Histopathological Study
太田 幸則
1
,
米元 康蔵
1
,
西山 茂夫
1
,
新井 春枝
2
Yukinori OHTA
1
,
Kohzoh YONEMOTO
1
,
Shigeo NISHIYAMA
1
,
Harue ARAI
2
1北里大学医学部皮膚科学教室
2大和市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Kitasato University
2Department of Dermatology, Yamato City Hospital
キーワード:
lichen purpuricus
,
病理組織学的検討
Keyword:
lichen purpuricus
,
病理組織学的検討
pp.329-333
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900851
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今回我々は臨床的にlichen purpuricusと思われた4症例を経験し,その組織反応に注目した.臨床的には出血に伴い生ずる黄色から暗赤色までの色調を呈する丘疹が主として下肢に集簇あるいは融合し小局面を形成し,組織学的には真皮上層の帯状の細胞浸潤および出血を認めた.真皮浸潤細胞と表皮の間の正常部は必ずしも明らかではない.浸潤細胞の中には多数の組織球系細胞を認め,一部では赤血球を貪食しているもの,巨細胞の形態をとるものもみられた.これらの組織学的所見から慢性に経過するlichen purpuricusの病変形成には組織球,マクロファージの関与が重要と考えられた.本症の病態には血管外へ遊出した赤血球の処理過程における障害の可能性が示唆された.
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