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2004年4月14日水曜日の朝,前夜から降り続く雨の中,自宅を出て京都に向かった.例年より早く開花を迎えた桜はすでに盛りを過ぎ,浜松駅までの道路には桜の花びらが敷きつめられていた.京都に到着,地下鉄の長い通路から階段を駆け上ると水たまりの残る国立京都国際会館への通路に出た.すでに雨は上がり,京都という神々しい雰囲気が醸し出す身震いするような冷気を感じた.周囲に目をやると会場の庭園には,淡い桃色を中心に色とりどりの花々が咲き誇っていた.本年から,日本皮膚科学会総会は日本研究皮膚科学会とリンクし,Dermatology Weekと呼ばれることになった.午後1時半,日本皮膚科学会史上に残る5日間は日本研究皮膚科学会会頭の東京大学玉置教授の開会の辞で幕を開けた.お言葉は淡々とした語り口であったが,散り始めた桜をrejuvenationさせるのに十分な気迫があった.これから訪れる新たな歴史の一頁への期待から背中がゾクゾクした.研究皮膚科学会の詳細については割愛させていただくが,本年は皮膚科学会総会との棲み分けが明確になったため,例年より研究に特化した演題の比率が高くなったように思われる.出席者の年齢構成では,2年前に同じ会場で浜松医大が主催したときに比べると若い出席者が目立った.これもDermatology Week効果であろう.
4月16日は清々しい青空と心地よいそよ風で,時間に余裕があれば会場に行く前に宝ヶ池を一周散策したいくらいであった.Dermatology Weekの3日目は,第103回日本皮膚科学会総会の初日である.日本研究皮膚科学会最後のプログラムは日本皮膚科学会総会最初のプログラムでもありJSID-JDA Joint Lectureであった.玉置教授と京都大学宮地教授の両会頭が座長をされるという斬新な試みで,理化学研究所発生・再生科学総合研究センター,西川伸一先生の,「幹細胞が冬眠するために必要な条件」というご演題であった.毛包細胞の実験から解き明かされてきた幹細胞に関する最先端の講演を,初心者にもわかりやすくお話して下さった.
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