印象記
第90回日本皮膚科学会総会・学術大会に参加して
中川 秀己
1
1東京大学医学部皮膚科
pp.1106-1108
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900514
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第90回日本皮膚科学会総会・学術大会は陽春の候,平成3年4月26日(金)より3日間,京都市の国立京都国際会館にて,多数の応募演題(症例報告195題,一般演題210題,臨床病理カンファランス10題)のもとに今村貞夫会頭(京都大学)により開催された.会場の国立京都国際会館は近くに宝ケ池を配し,落ち着いた場所であり会場も広かったため,演題すべてが口演となった.
今回の学術大会では,現在のわが国の皮膚科が曲り角に来ているという認識の下に,これからの皮膚科の未来を如何に築き上げていくべきかというテーマを土肥記念講演,招待講演およびシンポジウムで取り上げたのが従来の学会になかったものであった.さらに本学会の大きな特色の一つにミニレヴューがあり,わが国の第一線で活躍する各分野の皮膚科医を中心に現在の皮膚科領域でのトピックス48題を取り上げ,臨床皮膚科医,若手皮膚科医に対して教育講演を行った.さらに他のシンポジウムも合わせ,基礎皮膚科学と臨床皮膚科学のバランスがうまくとれており,基礎と臨床の結びつきを深めようという会頭の方針が十分活かされた学会であった.
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