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第19回西日本皮膚科連合地方会は九州医師会医学会の皮膚科分科会として,11月19,20日の両日,別府市白雲山荘において行なわれた。会長の伊藤教授(九大温研)は泌尿器科分科会会長をも兼ね,これを皮膚科学会と並行して行なわれたので,教授を始めとする教室員各位の御苦労は並々ならぬものであつたと思われる。皮膚科学会の方は,19日午後の病理組織検討会をもつて開幕され,20日は早朝から,特別講演,シンポジウム2,一般講演,スライド供覧と豊富な内容でぎつしりと充実して行なわれた。
先づ,病理組織検討会であるが,これは西日本では一昨年の米子での学会の時から始められ,今回は第3回目の開催であつた。第1回の時から本学会とは異なつて,自由で活発な雰囲気のあることから,特に若い人達に人気があつたが,回を重ねるごとに一層充実したものとして育つて来たことに感慨を深くしておられる方は少なくないと思う。特に,今回は出題症例の組織標本が予め参加教室に配布され,事前に検討の機会が与えられていたので,一層勉強になつたように思う。今後も,このように良いと思われる試みをどしどし実行して学会を少しでも良い方向にもつて行くよう皆で心掛けて行きたいものと思う。症例は昨年と異なり自由課題であつたが,期せずして腫瘍,特に,Lymphoma関係が多く集まつた。他にWegener's granuloma,necrobiosis lipoidica diabetico-rum等の診断例もあつて終始活発な論議をわかせた。ともかく「こんなことを発言すると笑われるのでは」というような消極的で煮えきらない雰囲気が無くなつて,参加者全員,老いも若きも,どしどし各自の意見を自由に述べる機運の高まつて来たことは何よりも喜ばしいことであつた。
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