Japanese
English
症例報告
著明な瘢痕化を来し,有棘細胞癌を併発した汎発性膿疱性乾癬の1例
A Case of Generalized Pustular Psoriasis
石地 尚興
1
,
石田 卓
1
,
岩田 忠俊
1
,
新村 眞人
1
,
赤板 陽
2
Takaoki ISHIJI
1
,
Takashi ISHIDA
1
,
Tadatoshi IWATA
1
,
Michihito NIIMURA
1
,
Akira AKASAKA
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科
2北青山クリニック
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
2Kita Aoyama Clinic
キーワード:
汎発性膿疱性乾癬
,
瘢痕
,
有棘細胞癌
,
SCC抗原
Keyword:
汎発性膿疱性乾癬
,
瘢痕
,
有棘細胞癌
,
SCC抗原
pp.409-412
発行日 1990年5月1日
Published Date 1990/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900078
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31歳,女性.生後2カ月の時熱発とともに全身に膿疱を混じる紅斑性局面,膿性分泌物を付着する糜爛性局面を生じ,以後二十数年にわたり同様の膿疱,糜爛を繰り返した.前頭部,前腕,下腿皮膚は徐々に萎縮,瘢痕化をきたし,30歳の時左下腿の糜爛性局面上に表面が不整形に隆起する紅色腫瘤を生じた.膿疱は無菌性で,組織学的にKogojの海綿状膿疱を認め,汎発性膿疱性乾癬と診断した.左下腿の腫瘤は生検の結果有棘細胞癌であったため,全摘出術および鼠径リンパ節郭清術を施行した.膿疱の新生はエトレチネート1日20mg内服で,ある程度抑制されたが完全な寛解状態は得られなかった.著明な瘢痕化の原因として幼少時より長時間にわたり糜爛を繰り返したこと,幼少時にステロイド剤,メトトレキセート等を多量に使用したこと,本人の先天的素因等が考えられた.有棘細胞癌については,瘢痕上に生じたいわゆる瘢痕癌と考えた.
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