Japanese
English
今月の症例
CYLD遺伝子に変異を認めないfamilial cylindromatosisの1例
A case of familial cylindromatosis lacking mutation of CYLD gene
廣正 佳奈
1
,
日野 亮介
1
,
小林 美和
1
,
中村 元信
1
Kana HIROMASA
1
,
Ryosuke HINO
1
,
Miwa KOBAYASHI
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
1産業医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
円柱腫
,
familial cylindromatosis
,
CYLD
Keyword:
円柱腫
,
familial cylindromatosis
,
CYLD
pp.387-390
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103662
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要約 96歳,女性.数年前より頭部に紅色の腫瘤が出現し増大,多発してきたため当科を受診した.初診時頭部,四肢に径3cm大までの淡紅色腫瘤が多発し,腫瘤は弾性硬で表面に毛細血管拡張を伴っていた.生検標本では,類円形から不整形の好塩基性胞巣をジグソーパズル様に認め,円柱腫の病理組織像であった.円柱腫が多発していること,また長男の頭部にも円柱腫が生じていたことから自験例をfamilial cylindromatosisと診断した.Familial cylindromatosisは円柱腫が多発するまれな常染色体優性遺伝性疾患である.CYLD遺伝子が原因遺伝子であると考えられているが,自験例ではCYLD遺伝子の変異は検出できなかった.CYLDの機能調節に関してはまだ不明な点が多く,CYLD遺伝子変異を認めない症例における変異の特定に関しては今後の症例の蓄積,統計学的検討が必要である.
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