Derm.2014
乾癬治療―生物学的製剤の光と陰
林 宏明
1
1川崎医科大学皮膚科
pp.88
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104003
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今年開催される日本皮膚科学会総会の乾癬(生物学的製剤)の教育講演のタイトルは『生物学的製剤の光と陰』である.生物学的製剤の「光」は従来の治療法を卓越する効果などであると思われるが,「光」につきまとう「陰」に注意が必要であり生物学的製剤の「影」は主なものは感染症などの副作用になるであろう.
乾癬に対して生物学的製剤が保険適応になり3年が経ち,従来とは治療法が間違いなく変わった.当施設では生物学的製剤治療は全例外来通院で行っているため,乾癬患者の入院治療がなくなってしまった.私が皮膚科医になったばかりの頃は重症の乾癬患者は入院の上,外用療法やPUVA療法などを行い,患者の皮疹に触れながら,治療をしっかり行っても出現してくる皮疹に病態の疑問を感じながら過ごした日々を記憶している.近年は重症乾癬患者でも外来通院で生物学的製剤治療を行っているため,研修医の先生などに直接担当してもらう機会が激減してしまった.これもある意味「陰」と思いながらも時代に逆らうわけにもいかないのが現状である.
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