Derm.2014
電子メール診療?
藤田 英樹
1
1日本大学医学部皮膚科学分野
pp.66
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104000
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- 文献概要
はじめに断っておきますが,電子メールでの診療行為が認められているわけではありませんし,私が患者さんに電子メールアドレスを教えて診療に利用している訳でもありません.医師であれば皮膚科医に限らず友人・知人などから病気に関する相談を受けることが多々あると思います.そういった相談を電子メールで受けることもあるでしょう.皮膚の病気の場合は「見ればわかるだろう」と思われているので,病変部の写真を添付して唐突に電子メールで「これは何? どうすればいいの?」と友人から相談されることがよくあります.「近所の皮膚科に行けばいいのに」と思いつつも,友人から頼られているということでいつも丁寧に返事をしています.これまでの相談内容で印象に残っているものは,お子さんの苺状血管腫や異所性蒙古斑,炎症性粉瘤(メールで相談する暇があったらさっさと切開したほうが良さそうであった),疥癬(最終的には実際に自分の病院に来てもらい正規の診察をした)などがあります.ただ実際には写真の質が悪く,「なんだかよくわからない」こともあります.労力はかけていますが,もちろん料金は発生しませんので,せめて人間関係がより良好になったと信じたいものです.何はともあれ,そのようなことをしていて思うのは,「将来このような形の皮膚科診療が本当に一般的に行われる日が来るのであろうか」ということです.この形の相談が結構診療として成り立っているように感じることがあるからです.もちろんいわゆる遠隔地診療では一定の力を発揮する可能性はあるでしょうが,画像技術がどんなに発達しても,私個人としてはやはり実際の患者さんを目の前にして診療をしたいと思います.
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