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書評 ―編 集:渡辺晋一・岩崎泰政・葛西健一郎―皮膚レーザー治療プロフェッショナル―プロから学ぶ正しい知識と手技
門野 岳史
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1東京大学医学部皮膚科
pp.277
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103928
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本書では皮膚レーザー治療の適応と効果,およびその限界とが詳細かつ明快に記されている.皮膚レーザー治療機もこのように数が増えてくると,各々の機械の特徴や効果の違いが段々よくわからなくなってくる.どの機種もあたかも魔法の機械のような謳い文句で販売されているが,一方で若干の胡散臭さを感じるのもまた事実である.本書は日本のレーザー治療の草分けであり,基礎実験の段階からレーザー治療に深く関わってきた渡辺晋一先生によって編集され,渡辺先生を含むごく少数の精鋭によって記されている.著者の人数が少なく厳選されているため,全体としての統一感が取れており,共通のコンセプトが本書全体を通じて一貫として流れている.
編者がいみじくも述べたとおり,レーザー治療はメーカー先行になりやすく,ともすれば先方の宣伝文句を鵜呑みにしがちである.しかしながら,レーザー治療に関しても数多の文献があり,それらの文献から得られる正しい情報とエビデンスに基づいてレーザー治療にあたるべきであるということを痛感させられる.本書ではまず,レーザーの機種およびその作用機序について詳細に記されている.レーザーの原理は確かに取っ付きにくいものであるが,多少物理が門外漢であっても理解できるよう丁寧に説明がなされている.レーザーの作用機序に関しては今までは何となくわかったつもりでやり過ごしていたが,やはりレーザー機種の全体像および作用機序を根本から把握することは,付け焼き刃的で表層的な知識でごまかすのとは全く異なるということが改めて認識される.
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