Japanese
English
症例報告
著明な下腿浮腫を呈した若年女性のChurg-Strauss症候群の1例
A case of Churg-Strauss syndrome of a young woman with severe edema on the lower legs
松崎 ひとみ
1
,
本多 皓
1
,
栗原 英美
1
,
高橋 京子
1
,
陳 科榮
1
Hitomi MATSUZAKI
1
,
Aki HONDA
1
,
Emi KURIHARA
1
,
Kyoko TAKAHASHI
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokyo-to Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Churg-Strauss症候群
,
下腿浮腫
,
angioedema associated with eosinophilia
Keyword:
Churg-Strauss症候群
,
下腿浮腫
,
angioedema associated with eosinophilia
pp.622-626
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103721
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要約 28歳,女性.喘息,アトピー性皮膚炎の既往あり.両側下肢の著明な浮腫と屈曲時の手関節・膝関節痛につき当科受診した.両膝内側・下腿に掻痒性紅斑を伴っていた.血液検査でWBC 12,200/μl(Eos 21%),IgE 399IU/mlであった.膝の紅斑の病理組織像では真皮浅層から皮下脂肪織にかけて血管・付属器周囲および間質に密な好酸球浸潤がみられた.血管炎は認めなかったが,真皮中層以下で好酸球性肉芽腫が著明であった.初診6日後に足の痺れが出現し,神経伝導検査で多発単神経炎が確認され,Churg-Strauss症候群(Churg-Strauss syndrome:CSS)と診断した.メチルプレドニゾロン500mgの点滴を3日間行ったところ皮疹・神経症状は改善し,プレドニゾロン40mg/日内服へ減量および5mg/日まで漸減後も再燃はない.若い女性の下腿浮腫であり,病理組織像で好酸球浸潤があるも血管炎は認めず,angioedema associated with eosinophilia(AE)との鑑別が重要であった.AEを考える症例ではCSSも鑑別に挙げて精査することが必要である.
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