Japanese
English
症例報告
血行性転移で死亡した外陰部偽腺性有棘細胞癌の1例
A fatal case of pseudoglandular squamous cell carcinoma due to hematogenous metastasis
山本 佐織
1
,
渡辺 さゆり
1
,
赤澤 聡
2
,
安藤 典子
1
,
原田 和俊
1
,
川村 龍吉
1
,
柴垣 直孝
1
,
島田 眞路
1
Saori YAMAMOTO
1
,
Sayuri WATANABE
1
,
Satoshi AKAZAWA
2
,
Noriko ANDO
1
,
Kazutoshi HARADA
1
,
Tatuyoshi KAWAMURA
1
,
Naotaka SHIBAGAKI
1
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨大学医学部皮膚科
2山梨大学医学部形成外科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Yamanashi, Chuo, Japan
2Department of Plastic Surgery, Faculty of Medicine, University of Yamanashi, Chuo, Japan
キーワード:
偽腺性有棘細胞癌
,
血行性転移
,
予後不良
Keyword:
偽腺性有棘細胞癌
,
血行性転移
,
予後不良
pp.707-711
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103744
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 69歳,女性.初診から1年前に左大陰唇に腫瘤を自覚した.初診時,左大陰唇を中心に右大陰唇に及ぶ,手拳大の有茎性の紅色腫瘤を1個認めた.原発巣切除,右鼠径センチネルリンパ節生検,左鼠径リンパ節郭清を行ったが,リンパ節転移はなかった.原発巣の組織は,腺腔様構造を呈しており,偽腺性有棘細胞癌と診断した.術後5か月で,肺転移をきたした.術後化学療法にて,ペプレオマイシン5mgを20回投与したが,化学療法後5か月に全身転移をきたし,シスプラチン(80mg/m2,1日間),フルオロウラシス(800mg/m2,5日間)の投与を1クール施行したが,初診から1年5か月後に永眠した.偽腺性有棘細胞癌は,血行性転移をきたしやすい.自験例も病理組織で血管内に癌細胞の浸潤を認め,原発巣と肺の病理組織の免疫染色パターンの一致から肺転移をきたしたと診断した.偽腺性有棘細胞癌は予後不良であるため,定期的な身体所見と画像評価が必要である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.