Japanese
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特集 最近のトピックス2013 Clinical Dermatology 2013
3.新しい検査法と診断法
自動化STS検査
Automated serologic test for syphilis
尾上 智彦
1
,
本田 まりこ
1
Tomohiko ONOE
1
,
Mariko HONDA
1
1東京慈恵会医科大学附属葛飾医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, the Jikei University School of Medicine, Katsushika Medical Center, Katsushika, Tokyo, Japan
キーワード:
梅毒
,
梅毒血清診断
,
Treponema pallidum
,
自動化法
,
倍数希釈法
Keyword:
梅毒
,
梅毒血清診断
,
Treponema pallidum
,
自動化法
,
倍数希釈法
pp.86-91
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103620
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要約 梅毒はTreponema pallidum(TP)の感染による全身性,慢性の性感染症である.TPは一般的な細菌培養ができず,潜伏期も長いため,血清学的検査で診断する場合が多い.梅毒血清反応は使用する抗原の違いからカルジオリピンを抗原とする梅毒脂質抗原法(serologic test for syphilis:いわゆるSTS検査)とTPを抗原とする梅毒TP抗原法に分類できる.このうち脂質抗原法は,病勢を反映することが知られており,診断のみならず治療にとっても重要な指標である.脂質抗原法は,従来,用手目視が判定に必要な倍数希釈法が一般的であったが,近年,自動分析器で自動測定可能な自動化法が本邦で普及しつつある.しかし,自動化法の結果をどのように梅毒の診断および治療に用いるべきか,具体的な指標を示したガイドラインは存在せず,今後の症例の蓄積が待たれるのが現状である.本稿では特に梅毒脂質抗原法と自動化法の運用,および運用にあたって必要な知識について解説した.
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