Japanese
English
症例報告
部分的限局性Recklinghausen病および限局性多発性神経線維腫の各1例
A report on cases of localized von Recklinghausen's disease and localized multiple neurofibromas
坪田 真紀
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Maki TSUBOTA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
神経線維腫症
,
NF-V
,
segmental neurofiboromatosis
,
部分的限局性Recklinghausen病
,
限局性多発性神経線維腫
Keyword:
神経線維腫症
,
NF-V
,
segmental neurofiboromatosis
,
部分的限局性Recklinghausen病
,
限局性多発性神経線維腫
pp.777-782
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103409
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要約 症例1:28歳,男性.出生時より腹・背部に褐色斑が帯状に散在し,5歳頃から左胸に小型の常色結節が出現し,側彎症も伴っていた.症例2:54歳,男性.40歳頃から,項・胸部,上肢に大小の常色結節が出現した.いずれも家族内に同様の症状および神経線維腫症はない.病理組織学的に,2症例の結節は神経線維腫であった.以上より,症例1を部分的限局性Recklinghausen病,症例2を限局性多発性神経線維腫と診断した.症例1は幼少期発症であるのに対して,症例2は中年発症であり,症例1では側彎症を伴ったが,症例2では神経線維腫症の症状は伴わないという相違点がみられた.また,過去の遺伝子学的な検索において限局性多発神経線維腫の症例でNF-1遺伝子に異常を認めなかったとの報告がある.これらのことより,限局性多発神経線維腫は,神経線維腫症からは切り離した独立疾患として扱うべきと考えた.
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