Derm.2012
皮膚科病名をコメディカルと共有する難しさ
石崎 純子
1
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
pp.114
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103290
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皮膚科病名は難しい.まず学生時代,皮膚科講義で見たこともない漢字に出会う.入局後,長い病名の多いことに驚く.先輩の先生がそれらをスラスラといい,カルテに記載していることに敬意の念をいだく.自分もそのようになりたいと思い,だんだんと病名のボキャブラリーが増えることに喜びを感じる.多かれ少なかれ同様の経験をお持ちでしょう.
院内の褥瘡対策に関わっている.褥瘡回診で診ていると肛門仙骨部皮膚アミロイドーシスにしばしば遭遇する.若い頃この病名をかまずに言えるようになり嬉しかったことを思い出しながら,病棟や褥瘡チームのコメディカルに説明する.皆の顔から「?」の表情がみてとれる.そこで今度は,臀部角化性苔癬化皮膚ともいわれる年齢的な変化であると言い添える.この病名は皮膚科医が聞けば,臨床像が脳裏に映し出されるほど明確なネーミングである.しかしながらコメディカルの「?」は増している.
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