Japanese
English
症例報告
小児に生じた皮下脂肪肉芽腫症(Rothmann-Makai症候群)の1例
A child case of lipogranulomatosis subcutanea
田中 真実
1
,
尾藤 利憲
1
,
福永 淳
1
,
岡 昌宏
1
,
錦織 千佳子
1
Mami TANAKA
1
,
Toshinori BITO
1
,
Atsushi FUKUNAGA
1
,
Masahiro OKA
1
,
Chikako NISHIGORI
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野
1Division of Dermatology,Department of Internal Related,Kobe University Graduate School of Medicine,Kobe,Japan
キーワード:
皮下結節
,
小児
,
脂肪織炎
,
皮下脂肪肉芽腫症
Keyword:
皮下結節
,
小児
,
脂肪織炎
,
皮下脂肪肉芽腫症
pp.45-48
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103149
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要約 6歳,男児.約3年前から明らかな誘因なく四肢,体幹に疼痛を伴う米粒大から小豆大の皮下結節の出現と消退を繰り返していた.近医で診断に至らず当院を受診した際は,左大腿と下腿の表面に軽度の発赤を伴う有痛性結節がみられた.発熱はなく全身状態は良好で,血液・臨床化学検査では異常は認めなかった.病理組織学的に,真皮~脂肪織に異型性のないリンパ球と組織球よりなる細胞浸潤を認め,脂肪組織壊死・変性を認めた.以上より皮下脂肪肉芽腫症と診断した.本疾患は中等量のステロイド内服によく反応するが,再発も多い.また自然軽快する例もあり,治療方針を決め難いが,小児に関してはできる限り全身への影響が少ない治療で経過をみることが望ましいと思われる.
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