Japanese
English
症例報告
痒疹反応を伴って汎発化したDarier病
Generalized Darier's disease aggravated by prurigo reaction
加藤 恒平
1
,
田中 智子
1
,
上田 暢彦
1
,
佐藤 貴浩
1
,
横関 博雄
1
Kohei KATO
1
,
Tomoko TANAKA
1
,
Nobuhiko UEDA
1
,
Takahiro SATO
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学大学院皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Graduate School,Tokyo Medical and Dental University,Tokyo,Japan
キーワード:
Darier病
,
痒疹
,
Helicobacter pylori
Keyword:
Darier病
,
痒疹
,
Helicobacter pylori
pp.672-676
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103021
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要約 79歳,男性.40歳頃より胸部に角化性丘疹が集簇してみられDarier病と診断された.夏季増悪時にのみステロイドを外用し,良好にコントロールされていた.2008年2月,体幹,四肢に掻痒感の強い蕁麻疹様丘疹が播種状に多発した.個疹は長期間持続し痒疹反応と考えた.病理組織像は真皮の浮腫と単核球,好酸球浸潤であり,表皮変化は軽微であった.しかし次第に角化性丘疹からなる局面が主体となり,2回目の組織像はDarier病に合致していた.経過中,胃潰瘍が見つかりHelicobacter pylori除菌を行った.この際,一過性に全身蕁麻疹様丘疹が新生・多発し,除菌終了後は蕁麻疹様丘疹の新生は止んだ.経過からDarier病患者がH. pylori感染に起因する蕁麻疹様丘疹を合併,その際の真皮への炎症性細胞浸潤がケラチノサイトに作用し,ATP2A2遺伝子の発現に影響を与えて,Darier病の汎発化を誘発した可能性を考えた.
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