Japanese
English
症例報告
乳癌術後に左腋窩近傍に生じた乳房外Paget病の1例
A case of extramammary Paget's disease adjacent to the left axilla occurring after the operation of left breast cancer
京谷 樹子
1
,
木村 聡子
1
,
松永 るり
1
,
齋藤 千尋
1
,
山口 奈央
1
,
川上 民裕
1
,
相馬 良直
1
Mikiko KYOYA
1
,
Satoko KIMURA
1
,
Ruri MATSUNAGA
1
,
Chihiro SAITO
1
,
Nao YAMAGUCHI
1
,
Tamihiro KAWAKAMI
1
,
Yoshinao SOMA
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,St. Marianna University School of Medicine,Kawasaki,Japan
キーワード:
乳房外Paget病
,
乳癌術後
,
異所性
,
腋窩近傍
Keyword:
乳房外Paget病
,
乳癌術後
,
異所性
,
腋窩近傍
pp.253-256
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102841
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要約 41歳,女性.2004年10月,左乳癌にて左乳腺全摘術および乳頭乳輪合併切除術を施行した.病理診断は乳頭腺管癌で,乳管内伸展を認め尾側断端が陽性,腋窩リンパ節に転移はなく,Stage ⅡBであった.術後,放射線療法と化学療法が施行された.術後4か月に,左腋窩近傍に自覚症状のない皮疹が出現し,徐々に拡大した.乳癌術後約4年が経過した当科初診時,腋窩近傍の左胸部に42×24mmの境界明瞭な角化性紅斑を認めた.病理組織で,表皮全層にわたり胞体の明るい細胞が胞巣を形成して増殖し,一部真皮上層に浸潤していた.腫瘍細胞は,PAS染色,CEA染色にて一部陽性であった.以上より乳房外Paget病と診断し,腫瘍切除および分層植皮術を行った.外陰部,腋窩,肛囲以外の乳房外Paget病は稀であるが,過去の報告例とあわせるとアポクリン腺の存在部位と重複してみられており,アポクリン由来説を支持する結果であった.
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