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文献紹介 EGFRはケラチノサイト由来のGM-CSF発現を調節している
安岡 美聡
1
1慶應義塾大学
pp.171
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102822
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このstudyの目的は,ケラチノサイトの顆粒球単球コロニー刺激因子(granulocyte macrophage colony-stimulating factor:GM-CSF)発現の制御における上皮成長因子受容体(epdermal growth factor receptor:EGFR)の役割を評価することである.乾癬や慢性アレルギー性接触性皮膚炎などの慢性炎症性疾患患者の皮膚においては,EGFRのactivationが上がりGCSF発現が増強している.培養したヒトのケラチノサイトにおいて,TGFαは,TNF-αによるc-junのリン酸化とトランス活性化を促進することでGMCSFの転写誘導を増強し,EGFRはTNF-αによるc-junのリン酸化とトランス活性化を増強させるということが明らかになった.また,EGFRが遺伝的に欠損していると,in vivo,in vitroどちらにおいても,TNF-αによるGMCSF発現およびJNK,c-junのリン酸化が減弱することが明らかになり,これからも,EGFR経路はケラチノサイト由来のGM-CSF発現を調整していることが示された.現在,EGFR-dependentな上皮系癌に対して用いられているEGFR阻害剤による抗癌作用において,GM-CSFの抑制が主要な役割を担っている可能性が示唆される.EGFRとEGFR blockadeの皮膚および腫瘍に対する作用についてのさらなる研究が期待される.
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