Japanese
English
症例報告
浸潤性紅斑を呈した皮膚Crohn病の1例
A case of cutaneous Crohn's disease with infiltrated erythema
宮本 樹里亜
1,2
,
石橋 正史
1
,
長坂 武
1
,
陳 科榮
1
Julia MIYAMOTO
1,2
,
Masafumi ISHIBASHI
1
,
Takeshi NAGASAKA
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1済生会中央病院皮膚科
2慶應義塾大学病院皮膚科
1Division of Dermatology,Saiseikai Central Hospital,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,Keio University Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
皮膚Crohn病
,
浸潤性紅斑
,
口腔内アフタ
,
肛囲潰瘍
,
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫性病変
Keyword:
皮膚Crohn病
,
浸潤性紅斑
,
口腔内アフタ
,
肛囲潰瘍
,
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫性病変
pp.623-627
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102676
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要約 28歳,女性.下痢,発熱,咳嗽,関節痛のため入院した.四肢に圧痛を伴う浸潤性紅斑が出現し,口腔内アフタ,肛囲潰瘍を伴っていた.皮膚病理組織学的所見では,脂肪隔壁の線維化と小葉内の多核巨細胞を伴う肉芽腫性炎症細胞浸潤を認め,皮膚Crohn病の病変と考えた.下部消化管内視鏡では結腸に縦走潰瘍がみられ,Crohn病が疑われたが,腸管病理組織学的所見では肉芽腫性炎症所見は認めなかった.腸管症状と皮膚病理組織学的所見を合わせて検討し,Crohn病と診断した.プレドニゾロン 50mg/日,メサラジン3,000mg/日を開始したところ,消化器症状,皮膚症状ともに速やかに軽快した.皮膚Crohn病の臨床像は多彩であるが,病理組織学的所見はいずれも非乾酪性類上皮細胞肉芽腫性病変を呈するため,皮膚生検が重要である.
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