Japanese
English
今月の症例
確定診断の約10年前に発症していた皮膚Crohn病
Cutaneous Crohn's disease ten years antedating abdominal diagnosis
久保田 由美子
1
,
桐生 美麿
1
,
中山 樹一郎
1
,
中村 恭子
2
,
古江 増隆
2
Yumiko KUBOTA
1
,
Hiromaro KIRYU
1
,
Juichiro NAKAYAMA
1
,
Kyoko NAKAMURA
2
,
Masutaka FURUE
2
1福岡大学医学部皮膚科学教室
2九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
1Depertment of Dermatology,School of Medicine,Fukuoka University
2Depertment of Dermatology,Gradute School of Medical Sciences,Kyushu University
キーワード:
皮膚Crohn病
,
外陰部腫脹
,
肛門病変
Keyword:
皮膚Crohn病
,
外陰部腫脹
,
肛門病変
pp.357-360
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101202
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20歳,女性.1998年12月頃,肛囲に結節病変が出現するも放置していた.1999年4月頃より,難治性下痢,12月からは38℃台の発熱が続き,2000年1月,近医内科でCrohn病と確定診断された.メサラジン内服と食事療法で消化器症状は軽快していたが,肛囲の結節が増数,増大してきたため,2001年9月6日,当科を初診した.肛囲から会陰部にかけて径2cmまでの常色~紅色の結節が多発し,病理組織学的には,真皮乳頭層のリンパ管拡張と,真皮全層に及ぶ組織球,リンパ球主体の細胞浸潤を認めた.既往歴として1990年(9歳時),右大陰唇の紅色腫脹があり,他院での生検にて真皮内に非乾酪性肉芽腫を認めていた.また,父方祖父がCrohn病であった.小児の皮膚Crohn病は極めて稀であるが,約2/3の症例に外陰部の腫脹がみられるという.
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