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あとがき
天谷 雅行
pp.540
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102658
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『臨床皮膚科』では,編集委員がすべての投稿論文を査読し,改善すべき点がある場合はコメントをつけて著者に戻している.著者はコメントに対して回答するとともに,コメントに沿って論文を修正して再投稿する.再度編集委員により査読され,修正が十分にされている場合に受理されることになる.このプロセスは多くの国際誌とほぼ同様のプロセスである.コメントに対する回答をどのように準備し,どのように論文に修正を加えるか,学術論文を作成するうえで重要なステップのひとつである.
ところが,最近1回の修正で十分でなく,2回,3回とコメントのやりとりをしている論文の数が増えている.本来,修正は1回でなされるべきであり,修正が十分になされていない,コメントに対して十分に回答されていない場合は,却下という結論に至ってもしかたがない.『臨床皮膚科』の論文は,皮膚科研修医が筆頭著者として投稿している場合が少なくない.この文書上の学術的なやりとりは,社会人として身につけなければいけない技術のひとつである.時に,全く誠意が感じられない回答も見受けられるのは残念である.コメントの内容は,必ずしも著者の意向に沿ったものでない場合もあるかもしれない.必ずしもコメントに沿って変更できない場合もあるかもしれない.その場合には,なぜ修正できないのか,その理由をきちんと説明することが必要である.編集委員を十分に説得できる内容の回答を提供すればよい.修正できる場合は,論文に修正を反映させる.
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