連載 臨床現場で本当に必要な薬のおはなし 教員も学生も知っておきたい「看護薬理」・11
皮膚の生理と保湿薬の有効性
大井 一弥
1
1鈴鹿医療科学大学薬学部 臨床薬理学研究室
pp.600-606
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202312
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皮膚の概要
皮膚は、健常成人で約1.6m2の面積を有し、全身を覆う人体最大の臓器です。上層から、表皮、真皮、皮下組織の3層に分けられ、外界からの刺激を常に受けやすいものの、刺激に対する多様な防御機構や免疫機能によって異物(アレルゲンなど)を排除できる複雑な生理機能を有しています図1。
また皮膚は、他の臓器に乾燥を生じさせない役割も担っています。皮膚の表面が乾燥することはあっても、血管や生体内の臓器に関わる粘液や酵素の分泌といった生体の営みに問題がないのも、皮膚の生理機能が正常に保たれているからです。
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