Japanese
English
症例報告
尋常性乾癬に併発した自己免疫性水疱症の1例
A case of autoimmune blistering disease associated with psoriasis vulgaris
吉澤 学
1
,
納 さつき
1
,
竹腰 知紀
1
,
長山 隆志
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
2
Manabu YOSHIZAWA
1
,
Satsuki OSAME
1
,
Tomonori TAKEKOSHI
1
,
Takashi NAGAYAMA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
,
Norito ISHII
2
,
Takashi HASHIMOTO
2
1帝京大学医学部皮膚科学教室
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Teikyo University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
キーワード:
尋常性乾癬
,
水疱性類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
後天性表皮水疱症
,
抗ラミニン5粘膜類天疱瘡
Keyword:
尋常性乾癬
,
水疱性類天疱瘡
,
抗p200類天疱瘡
,
後天性表皮水疱症
,
抗ラミニン5粘膜類天疱瘡
pp.913-916
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102139
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要約 70歳,男性.63歳より尋常性乾癬にて当科でステロイドとビタミンD3を外用し経過良好であった.約1か月前から両上腕に掻痒を伴う水疱が2~3個出現したが,ステロイド外用でいったん軽快した.1週間前より下腹部から大腿に新生水疱と浮腫性紅斑がみられ,2日前から全身各所に水疱が拡大した.体幹・四肢全体にびまん性に軽度鱗屑が付着する紅褐色調局面がみられ,一部に径3~4mm大の紅色丘疹を少数混じていた.局面上に浮腫性紅斑を伴う小指頭大の緊満性水疱が多数散在し,一部にびらんを形成していた.口腔内に水疱はなかった.血清抗BP180抗体,抗BP230抗体は陰性であった.病理組織像は,表皮下水疱を形成し,直下にリンパ球主体の細胞浸潤を認め,少数の好中球と好酸球を混じていた.蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgG・C3が線状に沈着し,1M食塩水剝離皮膚を用いた蛍光抗体間接法では真皮側に反応した.このことより抗p200類天疱瘡や後天性表皮水疱症などの合併が考えられたが,免疫ブロット法で既知の対応抗原は検出できず,診断確定には至らなかった.プレドニゾロンを60mg/日から開始し,水疱は軽快したが漸減時に乾癬の一時的な増悪がみられた.
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