Japanese
English
症例報告
多発性Bowen病の1例
A case of multiple Bowen's disease
吉田 雄一
1,2
,
江口 哲
1
,
桐生 美麿
2
,
松田 哲男
1
Yuichi YOSHIDA
1,2
,
Akira EGUCHI
1
,
Hiromaro KIRYU
2
,
Tetsuo MATSUDA
1
1国家公務員共済組合連合会浜の町病院皮膚科
2福岡大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Hamanomachi Hospital
2Depertment of Dermatology,Faculty of Medicine,Fukuoka University
キーワード:
多発性Bowen病
,
砒素
,
内臓悪性腫瘍
Keyword:
多発性Bowen病
,
砒素
,
内臓悪性腫瘍
pp.396-398
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101213
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63歳,女性.初診の5年前より左頚部に紅色皮疹が出現し,その後,徐々に増大したため当院を受診した.初診時には鱗屑を伴う径3×2cm大の紅褐色局面を認めた.さらに詳しく診察を行ったところ,背部,胸部,両下肢にも同様の淡紅色皮疹を計8個認めた.皮疹は一見,脂漏性角化症,もしくは老人性色素斑を思わせたが,病理組織学的にいずれもBowen病であった.全身検索も同時に施行したが,内臓悪性腫瘍の合併は認められなかった.既往歴として梅毒治療歴など砒素剤による治療歴は確認できなかったが,家族歴として父と長兄,次兄,姉がすべて肝癌で死亡しており,また長兄にもBowen病の既往があり,生活歴として7~26歳まで大分県内で約20年間使用した井戸水(飲料水)が砒素により汚染されていた可能性が多発性Bowen病の原因として推測された.
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