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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
4. 皮膚疾患治療のポイント
壊疽性膿皮症に対する顆粒球除去療法
Granulocytapheresis for pyogenic granuloma
大熊 慶湖
1
,
池田 志斈
1
Keiko OKUMA
1
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
顆粒球除去療法
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
顆粒球除去療法
pp.102-105
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101953
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要約 壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)は,その発症に活性化された好中球の関与が示唆される破壊性炎症性疾患である.治療としては,一般的に副腎皮質ホルモンや免疫抑制薬の投与が行われるが,反応性が乏しいことも多い.顆粒球除去療法は,合併疾患である潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)での有効性が知られており,またUCにたびたび合併するPGへ応用される可能性が出てきている.筆者らは,治療に苦慮した難治性壊疽性膿皮症に顆粒球除去療法を適用し,きわめて良好な結果を得た.副腎皮質ホルモンや各種免疫抑制薬の併用においても抑えられなかった潰瘍病変は本療法後にすべて上皮化し,血液学的検査においても著明な改善を認めた.また,各種炎症性サイトカインを測定したところ,治療前後におけるIL-8,G-CSFの低下が観察され,これらサイトカインが壊疽性膿皮症の病態生理に関与している可能性が示唆された.
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