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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
4. 皮膚疾患治療のポイント
天疱瘡の口腔内病変に対するシクロスポリン含嗽療法
Topical cyclosporine in the treatment of oral lesion of pemphigus
松岡 晃弘
1
,
矢島 健司
1
,
渡部 秀憲
1
,
川上 民裕
1
,
相馬 良直
1
Akihiro MATSUOKA
1
,
Kenji YAJIMA
1
,
Hidenori WATABE
1
,
Tamihiro KAWAKAMI
1
,
Yoshinao SOMA
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine, Kawasaki, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
口腔内病変
,
シクロスポリン含嗽療法
,
ネオーラル®
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
口腔内病変
,
シクロスポリン含嗽療法
,
ネオーラル®
pp.98-101
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101952
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要約 シクロスポリン内用液含嗽療法は,扁平苔癬や天疱瘡による難治性口腔内病変に対して,その有効性が報告されている.筆者らは,78歳の女性の天疱瘡患者の,ステロイド内服治療に抵抗する口腔内病変に対し,ネオーラル®内用液含嗽療法を行い,その良好な治療効果を確認した.含嗽時に口腔内灼熱感と疼痛がみられたが,粘膜症状の改善とともに軽減した.その他の副作用はなく,シクロスポリンの血中濃度も測定感度以下であった.シクロスポリン内用液は天疱瘡に対する保険適用がなく,含嗽という投与形態も認められていないため,天疱瘡に対するシクロスポリン内用液含嗽療法は安易に行ってよい治療法ではない.しかし,適切に使用すればほとんど副作用はなく,高い効果が期待できることから,ステロイド増量や免疫抑制薬内服が困難な患者に対しては,十分なインフォームド・コンセントを得たうえで,試みてもよい治療法であると思われた.
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