目でみる耳鼻咽喉科
尋常性天疱瘡の口腔内病変
島田 均
1
,
長江 大介
1
,
王 主栄
1
,
田中 康夫
2
,
古内 一郎
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科学教室
2獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科
pp.988-989
発行日 1984年12月20日
Published Date 1984/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209879
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尋常性天疱瘡は弛緩性水疱が全身皮膚に多発するのを特徴とする難治性疾患である。また,そのほとんどの例に口腔内にも病変が出現し,半数においては初発部位となり,難治性の口腔内糜爛として観察される。しかし,ときにはかかる口腔内病変のみで終始する例もある。なお本症は中年の男女に好発する。
本疾患の病理は,1964年Beutnerによって患者血清から抗細胞間抗体が発見され,さらに1974年,Michel and Koが重層有棘上皮(表皮と可視粘膜上皮)の細胞間物質を標的とする液性の自己免疫疾疾患であることを立証した。
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