Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
I 最近話題の疾患
皮膚好酸球性血管炎
Cutaneous eosinophilic vasculitis
陳 科栄
1,2
Ko-Ron CHEN
1,2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2川崎市立川崎病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Section of Dermatology, Kawasaki City Hospital
キーワード:
皮膚血管炎
,
好酸球
,
好酸球顆粒蛋白
,
膠原病
,
悪性腫瘍
Keyword:
皮膚血管炎
,
好酸球
,
好酸球顆粒蛋白
,
膠原病
,
悪性腫瘍
pp.39-43
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901191
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皮膚血管炎では組織学的に好中球性,リンパ球性および肉芽腫性血管炎が知られているが,皮膚好酸球性血管炎は文献的に記載されていない.筆者は米国メイヨークリニックの皮膚血管炎症例を検討し,過去30年の血管炎総計1086例中の19症例にアレルギー性肉芽腫性血管炎以外の好酸球性血管炎の存在を証明した.組織学的に真皮の細静脈を中心とした小血管が好酸球を主体とする炎症性細胞により障害される.蛍光抗体法では血管壁に著明な好酸球顆粒蛋白の沈着が認められ,細胞毒性を有する好酸球顆粒蛋白による血管壁の破壊が示唆された.皮疹は多発性瘙痒を伴う紅斑性,紫斑性丘疹および蕁麻疹様紅斑を特徴とする.その病因より,1)再発性皮膚好酸球性血管炎,2)膠原病に伴うもの,3)悪性腫瘍に伴うもの,の3グループに分類した.グループ1)は長期問にわたって皮疹の再発および顔面と手指の血管浮腫を認め,長期間の副腎皮質ホルモン投与を必要とした.
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