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あとがき
瀧川 雅浩
pp.850
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101778
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大学病院の機能がいろいろな意味で細分化し,それに伴い診療科も充実してきた.それに伴い,わが皮膚科学教室も居住スペースを提供することになった.困るのは,これまで保管されてきた,開学以来蓄積されてきたアナログデータの処遇である.移動するにも場所がなく,思い切って臨床写真,患者記録(病名など)はすべてデジタル化することにした.若い人にやらせるわけにもいかない側面があり,私自身ですべてやることに決めた.
まず臨床写真であるが,すべてのスライドに目を通し,まず写真の質の悪いもの(ピンぼけ,色変わり),病名,カルテ番号など患者IDが記入されていないもの,スライドに記入した字が読めないものは廃棄.さらに同一患者で繰り返し撮影されてはいるが,その目的がはっきりしないものを除外.こうして,約半年かけて,必要なスライド約7万枚を残し,デジタル化することにした.市内の業者に一枚あたりのデジタル化の値段を見積もらせたところ,単なる画像の取り込みではそれほど高くないのであるが,病名,患者IDを画像に入れると目が飛び出るような値段である.また,患者のプライバシー保護の観点から誰に頼んでもよいというわけにはいかない.幸い,大学に出入りしている信頼のおける業者に他の業者の見積もりより安くやってもらうことになった.現在約3万枚終了したが,ふと気づいたのは,デジタル化したデータから特定の疾患あるいは個人の画像をとり出すことの煩わしさである.取り込んだスライドが一目でわかるようなアナログデータがいるということが判明した.他のデータのデジタル化も含め,当分やることに事欠かないようである.
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