北海道がんセンター皮膚科における転移性皮膚癌86例の検討

Analysis of 86 cases of metastatic skin carcinoma in the Department of Dermatology at Hokkaido Cancer Center

要約　過去11年間に当科で病理組織学的に転移性皮膚癌と確定診断した86例について，統計学的に検討した．転移性皮膚癌の原発巣は，多い順に乳癌，肺癌，腎癌，子宮癌であったが，当院全科の内臓悪性腫瘍の頻度は乳癌，肺癌，子宮癌，胃癌の順であり，腎癌は皮膚転移率が高かった．腎癌6例中4例は頭皮へ転移していた．転移性皮膚癌中，転移を契機に原発巣が発見された例が8例あった．また，delayed metastasisを16例認めた．皮膚転移発見後の平均予後は7.8か月と不良であった．