Japanese
English
症例報告
ステロイド局所注射による皮膚萎縮の2例
Two cases of cutaneous atrophy following a topical injection of corticosteroids
小坂 素子
1
,
青木 見佳子
1
,
森山 マサミ
2
,
川名 誠司
1
Motoko KOSAKA
1
,
Mikako AOKI
1
,
Masami MORIYAMA
2
,
Seiji KAWANA
1
1日本医科大学皮膚科学教室
2森山皮膚科
1Department of Dermatology,Nippon Medical School,Tokyo,Japan
2Moriyama Dermatology Clinic,Yokohama,Japan
キーワード:
ステロイド
,
皮膚萎縮
Keyword:
ステロイド
,
皮膚萎縮
pp.791-794
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101762
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要約 症例1:43歳,女性.花粉症に対し,左上腕にステロイド皮下注射を受け,3か月後に注射部位の陥凹局面に気づいた.症例2:28歳,女性.腱鞘炎に対し,右手関節にステロイド局注を受けた.約2週後から注射部に萎縮が出現,近位側に向かって線状の萎縮が上腕まで進行した.2例とも病理組織学的所見は,脂肪細胞が全体に小型化,大小不同で不整形となり,脂肪細胞間にマクロファージの浸潤と毛細血管の増生も伴っていた.経過観察のみで消退傾向を認めた.症例1はステロイド局注による皮膚萎縮の典型と考えられたが,症例2は萎縮が線状に拡大する特異な臨床像を示した.ステロイド局注による線状の皮膚萎縮は,本邦では自験例を含めて6例の報告がある.
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