Japanese
English
今月の症例
男性様顔貌を呈した摩擦黒皮症の1例
A case of friction melanosis with android face
小野 紀子
1
,
陳 科栄
1
Noriko ONO
1
,
Ko-Ron CHEN
1
1荻窪病院皮膚科
1Department of Dermatology,Ogikubo Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
摩擦黒皮症
,
顔面
,
男性様顔貌
,
フェイスブラシ
Keyword:
摩擦黒皮症
,
顔面
,
男性様顔貌
,
フェイスブラシ
pp.600-602
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101496
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要約
83歳,女性.2~3年前より顔面に,皺を避けて紅斑やそう痒を伴わない黒褐色の皮疹を認め,徐々に増悪し,男性様顔貌を呈してきたため当科初診となった.顔面の皮疹が生じ始めていた頃よりナイロン性と思われるフェイスブラシを毎洗顔時に用いていた.病理組織学的には,基底層に標本全体にわたってメラニンの沈着を認め,真皮浅層にわずかにメラニン顆粒を貪食した細胞を認めた.アミロイドの沈着は認めなかった.臨床,病理所見からフェイスブラシの使用による顔面の摩擦黒皮症と診断した.摩擦黒皮症は1977年に初めて報告されて以来,数多くの報告がなされ,患者の生活習慣の変化によってその疾患傾向も変化しつつある.今回,われわれは本症に比較的まれな顔面のみに生じ,特異な男性様顔貌を呈した1例を経験したため報告した.
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