Japanese
English
症例報告
ノイロトロピン(R)が奏効した反射性交感神経性ジストロフィーの1例
A case of reflex sympathetic dystrophy successfully treated with neurotropin(R)
敷地 孝法
1
,
滝脇 弘嗣
1
,
村尾 和俊
1
,
藤田 真弓
1
,
荒瀬 誠治
1
,
浦野 芳夫
2
,
石上 剛史
2
Takanori SHIKIJI
1
,
Hirotsugu TAKIWAKI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Mayumi FUJITA
1
,
Seiji ARASE
1
,
Yoshio URANO
2
,
Takeshi ISHIGAMI
2
1徳島大学医学部皮膚科学教室
2徳島赤十字病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,The University of Tokushima School of Medicine
2Division of Dermatology,Tokushima Red Cross Hospital
キーワード:
反射性交感神経性ジストロフィー
,
ノイロトロピン
Keyword:
反射性交感神経性ジストロフィー
,
ノイロトロピン
pp.1202-1204
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101488
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66歳,女性.左手の有痛性の発赤・腫脹に対してノイロトロピン(R)が奏効し,臨床経過より反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)と診断した.約1か月前に左手に強い疼痛と腫脹が出現し,近医で抗生剤の投与を受け一時は軽快したがすぐ再燃.当科受診時,左手全体に熱感・発赤を伴う腫脹あり.WBC7,100/μl,CRP0.12mg/dl.組織細菌培養は陰性.病理組織像も蜂窩織炎の所見なし.入院のうえ,再び抗生剤を点滴したが効果なし.ノイロトロピン(R)を4T/日から内服したところ1週間で効果が現れ,3週間で疼痛,腫脹とも消失した.RSDは四肢に生じる難治性の慢性疼痛症候群の一つで,初期には発赤・腫脹を伴うため蜂窩織炎との鑑別が難しい.早期の診断と治療が予後を大きく左右するため,まずはRSDを疑うことが重要と思われた.
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