Japanese
English
症例報告
疣贅状肢端角化症(acrokeratosis verruciformis)の2例―Darier病との関連について
Two cases of acrokeratosis verruciformis:Relationship to Darier's disease
前田 樹里子
1
,
宇谷 厚志
1,2
,
鈴木 睦美
2
,
新海 浤
1
Kiriko MAEDA
1
,
Atsusi UTANI
1,2
,
Mutsumi SUZUKI
2
,
Hiroshi SHINKAI
1
1千葉大学医学部附属病院皮膚科
2福井赤十字病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,Chiba University School of Medicine
2Depertment of Dermatology,Fukui Red Cross Hospital
キーワード:
疣贅状肢端角化症
,
Darier病
,
ATP2A2
Keyword:
疣贅状肢端角化症
,
Darier病
,
ATP2A2
pp.425-427
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101221
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症例1:25歳,男性.症例2:71歳,女性.小児期発症の,変化に乏しい手背・足背の紅斑と播種状扁平丘疹を主訴とした.ともに家族に同症を有するが,Darier病を示唆する病変はない.病理組織像では過角化ならびに表皮,特に顆粒層の肥厚がみられ,Darier病やヒトパピローマウィルス感染を疑わせる所見は認められない.疣贅状肢端角化症は本2例のような単独発症もあるが,Darier病との合併がより知られている.そのため,Darier病患者にみられる肢端の皮疹として,本症とDarier病の特異疹は混同されていたようである.しかし現在では,組織学的に鑑別しうる独立した疾患とされている.単独発症の疣贅状肢端角化症は,臨床的には,青年性扁平疣贅と,手掌足底の角化性病変をきたす疾患が鑑別となる.非定型の症例に遭遇した場合は,本疾患も念頭に入れ診断する必要があると考える.
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