Japanese
English
原著
皮膚肥満細胞症の3例―c-kit遺伝子変異の検出例と非検出例の比較
Three cases of cutaneous mastocytosis:Comparison between cases with and without c-kit gene mutation
小田 真喜子
1
,
藤沢 智美
1
,
山中 新也
1
,
清島 真理子
1
,
柳堀 浩克
2
,
金子 史男
2
Makiko ODA
1
,
Tomomi FUJISAWA
1
,
Shinya YAMANAKA
1
,
Mariko SEISHIMA
1
,
Hirokatsu YANAGIHORI
2
,
Fumio KANEKO
2
1大垣市民病院皮膚科
2福島県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Ogaki Municipal Hospital
2Department of Dermatology,Fukushima Medical University
キーワード:
皮膚肥満細胞症
,
c-kit遺伝子変異
Keyword:
皮膚肥満細胞症
,
c-kit遺伝子変異
pp.1197-1201
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101095
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症例1:19歳,男性.初診の2年前より体幹,上肢にそう痒を伴う色素斑が増加した.症例2:4か月,女児.生後まもなくより全身に褐色の色素斑が出現した.症例3:7歳,男児.生後3か月頃より全身に丘疹が出現した.3症例ともDarier徴候陽性で,組織学的には真皮上層から中層にかけて肥満細胞が密に浸潤していた.これらの細胞はトルイジンブルー染色で異染性を示し,肥満細胞症と診断した.c-kit遺伝子の検索を行ったところ,症例1ではコドン816の変異が検出された.症例2,3では変異を認めなかった.本邦で報告されたc-kit変異検出例と非検出例について比較した.c-kit変異検出例は成人に多いが,最近では小児でもc-kit変異の検出が増えている.十分な長期臨床経過の報告例が少なく,今後の検討が必要である.
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