Japanese
English
今月の症例
免疫不全患者にみられたサイトメガロウイルスによる肛門周囲潰瘍の1例
A case of perianal ulcer caused by cytomegalovirus in immunocompromised host
川合 さなえ
1
,
山中 新也
1
,
藤沢 智美
1
,
清島 真理子
1
Sanae KAWAI
1
,
Shinya YAMANAKA
1
,
Tomomi FUJISAWA
1
,
Mariko SEISHIMA
1
1大垣市民病院皮膚科
1Department of Dermatology,Ogaki Municipal Hospital
キーワード:
サイトメガロウイルス(CMV)
,
皮膚潰瘍
Keyword:
サイトメガロウイルス(CMV)
,
皮膚潰瘍
pp.113-116
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100504
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要約 75歳,女性.膠原病関連間質性肺炎でプレドニゾロン40mg/日,シクロスポリン25mg/日を内服中,肛門周囲に疼痛を伴うびらん・潰瘍が出現した.血中サイトメガロウイルス(CMV)アンチゲネミア陽性,潰瘍辺縁の皮膚病理組織で真皮の血管内皮に封入体をもつ大型で不整形な細胞を認め,また皮膚組織PCR法でCMV DNAを検出した.これらの所見より,肛門周囲に形成されたびらん・潰瘍はCMV感染に伴うものと考えた.症状発現約1か月後に心筋梗塞で死亡した.皮膚CMV潰瘍は,比較的稀であるが致死的な経過をたどることが多い.免疫不全患者に生じた潰瘍性病変をみた場合,特に外陰部・肛門周囲では本症の可能性を念頭に置き,早期に診断,治療することが重要である.
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