Japanese
English
原著
抗アレルギー薬を併用した標準的薬物療法がアトピー性皮膚炎患者の痒みとQuality of Life (QOL)に及ぼす影響に関する調査
A study of the effect on itch and quality of life of atopic dermatitis patients treated by standard therapy with anti-allergic drug
川島 眞
1
,
原田 昭太郎
2
Makoto KAWASHIMA
1
,
Shotaro HARADA
2
1東京女子医科大学皮膚科
2かやば町皮フ科
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University
2Kayaba Dermatology Clinic
キーワード:
抗アレルギー薬
,
塩酸オロパタジン
,
VAS
,
Skindex-16
,
QOL
Keyword:
抗アレルギー薬
,
塩酸オロパタジン
,
VAS
,
Skindex-16
,
QOL
pp.661-667
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100961
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要約 アトピー性皮膚炎の標準的薬物療法に経口抗アレルギー薬を連続あるいは間欠的に併用した場合の痒みとQOLに及ぼす影響を調査した.登録した1,183例中,塩酸オロパタジンが投与された1,094例について検討した.痒みの再発がなかった症例の割合は,連続投与群では間欠投与群に比べて有意に高かった.痒みのVASスコアにおいて,連続投与群は間欠投与群より有意に低く推移し,痒みがより抑制された.Rajka&Langelandの重症度分類では,連続投与群で4週目,間欠投与群で6週目から有意に重症度スコアが低下した.Skindex-16を用いたQOL調査では,連続投与群では感情面と機能面,間欠投与群では感情面で有意にQOLが改善した.ステロイド外用薬に関しては,連続投与群のほうがランクの低いステロイド外用薬への変更が多く認められた.以上のことから,経口抗アレルギー薬を連続して使用することにより,痒みの抑制効果および消失状態の持続が認められ,患者のQOLにも良好な影響を及ぼすことが示された.
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