Japanese
English
症例報告
単クローン性IgA血症を伴った壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum with monoclonal IgA gammopathy
山本 都美
1
,
田辺 健一
1
,
坪井 廣美
1
Tomi YAMAMOTO
1
,
Kenichi TANABE
1
,
Hiromi TSUBOI
1
1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター皮膚科
1Division of Dermatology,National Hospital Organization Yokohama National Hospital
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
単クローン性IgA血症
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
単クローン性IgA血症
pp.572-575
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100938
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89歳,女性.29年前より臍ヘルニア,腹壁瘢痕ヘルニアがあり,ときどき腹痛などのイレウス症状が出現する.また,初診と同年に舌癌の根治術を施行されている.患者は,右下腿に膿瘍が出現し,同部が潰瘍となり拡大した.組織学的に真皮の壊死と好中球浸潤が認められ,臨床・病理像より壊疽性膿皮症と診断した.基礎疾患に単クローン性IgA血症の合併が認められた.炎症性腸疾患以外の消化管病変がIgA血症を引き起こし,壊疽性膿皮症発症にも関与するといわれている.自験例も臍ヘルニア,腹壁瘢痕ヘルニア,単クローン性IgA血症の合併が認められた.また,舌癌との合併は過去1例あり,自験例における壊疽性膿皮症発症原因と何らかの関係も示唆された.PSLとネオーラル(R)内服で軽快した.
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