Japanese
English
症例報告
定型疹を伴った皮下型環状肉芽腫の1例―本邦文献報告例の考察を含めて
Subcutaneous granuloma annulare associated with typical features of granuloma annulare:Report of a case and review of the Japanese literature
山本 純照
1
,
榎本 美生
1
,
多田 英之
1
,
宮川 幸子
2
Yoshiteru YAMAMOTO
1
,
Miki ENOMOTO
1
,
Hideyuki TADA
1
,
Sachiko MIYAGAWA
2
1奈良県立奈良病院皮膚科
2奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Nara Prefectural Nara Hospital
2Department of Dermatology, Nara Medical University
キーワード:
環状肉芽腫(GA)
,
皮下型
,
定型疹
Keyword:
環状肉芽腫(GA)
,
皮下型
,
定型疹
pp.349-352
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100564
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要約 1歳11か月,女児.2004年7月頃(1歳8か月)に,蚊に刺されたと思われる右足背,右下腿伸側に自覚症状を伴わない貨幣大の紅斑が出現し,その後小豆大の皮下結節を伴った.同10月25日の当科初診時には,右足背に直径3cmの,辺縁が軽度堤防状に隆起する紅褐色斑が認められ,その中央の皮下に直径5~8mmの弾性硬,下床との可動性を有する皮下結節を3個触知した.また,右下腿伸側中央には直径3cmの皮下結節を1個,左中指の指背基部に粟粒大の淡紅色丘疹を3個認めた.皮膚生検では真皮深層から皮下脂肪織に肉芽腫病変が存在し,HE染色でエオジンに淡染する変性物質と,その周囲に組織球や線維芽細胞の柵状配列を認め,palisading granulomaの像を呈した.臨床像および病理組織学的所見から,定型疹を伴った皮下型環状肉芽腫と診断した.自験例を含めた本邦文献報告例についても検討したので,合わせて報告する.
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