Japanese
English
症例報告
HIV感染者に発症した顔面壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum associated with human immunodeficiency virus infection
荒木 絵里
1
,
玉城 裕妃子
1
,
高瀬 早和子
1
,
太田 深雪
1
,
堀口 裕治
1
Eri ARAKI
1
,
Yukiko TAMAKI
1
,
Sawako TAKASE
1
,
Miyuki OTA
1
,
Yuji HORIGUCHI
1
1大阪赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka Red Cross Hospital
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
HIV感染
,
免疫応答異常
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
HIV感染
,
免疫応答異常
pp.338-341
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100561
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要約 50代,男性.左前頭部の紅色皮疹が拡大して類円形の5cm大の潰瘍となった.臨床検査でγグロブリンの高値,CRPの軽度上昇を認めた.病理組織像では真皮深層から皮下組織にかけて好中球と単核球の浸潤がみられた.悪性疾患や真菌・細菌などの感染を示唆する所見はみられず,壊疽性膿皮症と診断した.ステロイド内服治療によく反応したが,減量,離脱とともにまもなく再発した.再精査でヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性が判明し,問診で同性間性的接触の既往が明らかとなった.CD4陽性細胞は156/mm3と低値であり,抗ウイルス療法が開始された.壊疽性膿皮症などの好中球性皮膚症がHIV感染患者にみられるとの合併の報告が散見され,HIV感染に伴って免疫応答異常の存在する可能性が推察される.
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