Japanese
English
症例報告
血清亜鉛補正療法併用が有効であった水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid with marked improvement following oral zinc supplementation
相楽 玲
1
,
山本 真里
1
,
永田 茂樹
1
Rei SAGARA
1
,
Mari YAMAMOTO
1
,
Shigeki NAGATA
1
1公立昭和病院皮膚科
1Department of Dermatology,Showa General Hospital
キーワード:
水疱性類天疱瘡(BP)
,
経管栄養
,
亜鉛欠乏
,
ポラプレジンク
Keyword:
水疱性類天疱瘡(BP)
,
経管栄養
,
亜鉛欠乏
,
ポラプレジンク
pp.138-141
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100511
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要約 64歳,女性.くも膜下出血後の後遺症のためうつ状態になり,初診の半年前より経管栄養を開始した.1か月半前から両手足の紅斑と軀幹,四肢に水疱が出現し,前医にて水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)と診断された.プレドニゾロン(PSL)25mg/日の内服で治療を開始,皮疹が軽快し減量された際,手足の皮疹が再燃した.PSL50mg/日に増量後も皮疹が軽快しないため,当科を紹介された.初診時,両外眼角,両口角,下顎,両耳介に拇指頭大までの境界明瞭な暗紅色紅斑が散在し,瘙 痒がみられた.両手掌,足底には潮紅を認め,拇指頭大の水疱,びらんが混在していた.即日,水疱部より皮膚生検を施行し,病理組織学的所見はBPに合致していた.血液検査所見では血清亜鉛が22μg/dlと低値であった.PSL30mg/日に減量し,ポラプレジンク150mg/日の内服を追加したところ皮疹が速やかに軽快し,PSL5mg/日まで減量,維持できた.以上より,本症例を亜鉛欠乏が難治の原因であるBPの1例と考えた.
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