Japanese
English
症例報告
馬刺によると思われるマンソン孤虫症の1例
A case of a sparganosis Mansoni due to eating raw horse meat
渡邉 将也
1
,
国井 隆英
1
,
田上 八朗
1
,
菅谷 博子
2
,
松田 信治
2
,
樗木 俊聡
2
Masaya WATANABE
1
,
Takahide KUNII
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Hiroko SUGAYA
2
,
Sinji MATSUDA
2
,
Toshiaki OHTEKI
2
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野
2秋田大学医学部病理病態学講座生体防御学分野
1Depertment of Dermatology,Tohoku University School of Medicine
2Depertment of Immunology,Akita University School of Medicine
キーワード:
マンソン孤虫症
,
馬刺
,
ELISA法
Keyword:
マンソン孤虫症
,
馬刺
,
ELISA法
pp.343-346
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100460
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
59歳,女性.初診の約1か月前に右大腿部の皮下腫瘤に気付くが,特に自覚症状がなかったため放置していた.腫瘤に移動性はなかったが,徐々に硬化してきたため来院した.初診時,右大腿部に比較的境界のはっきりした2.6×2.4cm大の弾性硬の皮下腫瘤を認めた.同部の生検を施行中に虫体を認め,完全な形の虫体を1匹摘出した.虫体は秋田大学医学部寄生虫学教室で,マンソン裂頭条虫のプレロセルコイドと同定されたので,マンソン孤虫症と診断した.感染経路としては,第二中間宿主であった馬の刺身を過去に繰り返し食べているうち感染した可能性が考えられた.患者血清を用いたdot-ELISA法では当初,マンソン裂頭条虫のプレロセルコイド抗原に陽性を示したが,摘出6か月後には抗体価は明らかに低下し,診断および経過観察に有用であった.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.