Japanese
English
原著
Eosinophilic cellulitis(Wells症候群)—1例報告と本邦における40例の統計的検討
Eosinophilic cellulitis (Wells' syndrome) : A case report and statistical analysis of 40 cases in Japan
矢野 正一郎
1
,
金子 健彦
1
,
柿沼 誉
1
,
大槻 マミ太郎
1
,
玉置 邦彦
1
Shoichiro YANO
1
,
Takehiko KANEKO
1
,
Takashi KAKINUMA
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
,
Kunihiko TAMAKI
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
eosinophilic cellulitis
,
好酸球性肉芽腫
,
Wells症候群
,
統計
Keyword:
eosinophilic cellulitis
,
好酸球性肉芽腫
,
Wells症候群
,
統計
pp.206-211
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902453
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32歳,女性.約4年前より左膝蓋部に虫刺様の小皮疹が出現.瘙痒と熱感を伴いながら拡大したが,約6週間で自然消退した.3年後にも同様の丘疹が出現,約6週間で自然消退した.その1か月後,同部位に紅色丘疹が出現,周囲に紅斑も拡大したため当科に入院した.検査所見では,WBC:7,200/μl, eosino:6.0%,CRP<0.3mg/dl,便虫卵陰性,抗ライム病抗体陰性.組織学的に膠原線維内への好酸球の浸潤といわゆるflame figureを認め,典型的であった.生検後2週間で皮疹は自然消退した.その後約1年半再燃を認めない.なお,自験例を含む本邦報告40例を文献的に検討したところ23例に再燃を認めた.そのうち14例は4回以上再燃していた.治療については16例で副腎皮質ステロイドの内服または静注を施行されていたが,無治療ないしステロイド外用剤,抗ヒスタミン剤のみで改善したものも11例あった.また虫刺,薬剤,手術後など明らかな発症誘因が推測される症例が12例あった.
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