Derm.2005
皮膚科医的患者好感度調査
安部 正敏
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学
pp.162
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100173
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患者に好まれる医師とは,一体どうあればいいのだろうか? 精神科の帰りに必ず現れる彼女は「電波誘発性皮膚そう痒症」.無数の電波が飛び交う現代社会に何とも気の毒な皮膚疾患であるが,治療は本人が持つ携帯電話でOKであり私の出る幕はない.何でも,自分の携帯電話の発する電波が他の電波と干渉しあい,相殺される結果,症状が改善するのだという.
そんな彼女が当科に通う理由は,恐ろしいことに私のことが大好きだからである.「1位は安部ちゃん!2位は天野先生で,3位はキムタク」.ジャニーズの上に2人の皮膚科医がランクインする,恐るべき感性の持ち主なのだ.ほどなく彼女は私との結婚を要求してきた.これを断るのは一苦労である.最初,真面目に断ったところ,「安部ちゃんにふられた~!」とでも騒いでくれれば微笑ましい光景で終わるのであろうが,この手の患者は余計なところに知恵がまわるため,だしぬけに外来受付に現れ,「安部先生が2万円で別れてくれといった」などと生々しい虚偽をデッチあげるのであった.
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